お米(白米と玄米)を劣化させる原因と、その対策
2011/10/06
■玄米に特有の問題
・玄米の呼吸
→玄米は呼吸をして、栄養素(デンプンなど)を消耗し、品質を劣化させます。
→玄米の呼吸は、含水率(米の水分)、また温度が高くなるほど活発化します。
※そのため、湿度と気温が高い夏場を超えた玄米は、品質が急激に劣化します。
→酸素を遮断すれば、米の呼吸が停止します。
■白米(精米)に特有の問題
・白米の酸化
→白米は空気に触れていると酸化し、脂質(糠)が分解されて品質が劣化します。
→そのため、脂質(糠)が取り除かれている無洗米は、比較的酸化しづらくあります。
※また、温度が高くなると酸化の速度が速くなります。
→酸素を遮断すれば、米の酸化が停止します。
■玄米/白米共通の問題
・虫の発生
→虫が発生し、米の品質が劣化します。
→気温が15℃を超えてくると、害虫の生育と繁殖が活発になります。
※そのため春~夏以降には特に、虫の対策が必要になります。
→酸素を遮断して14日間その状態を維持できれば、虫は死滅します。
・カビの発生
→カビが発生し、米の品質が劣化します。
→お米の含水率(含まれる水分)が17%以上になると、カビが発生しやすくなります。
※そのため、とくに梅雨の時期になるとカビ対策が必要になります。
→酸素を遮断して酸素濃度が0.1%以下になると、カビの発生が抑制されます。
・お米の乾燥
→お米が乾燥して割れると、外見の悪化や弾力のない飯(炊飯時)になります。
→湿度が低い場所でお米を保存すると、割れが発生します。
※ただ、湿度の高い場所で保存するとカビの発生が懸念されます。
→酸素遮断の袋で保存すれば、乾燥・湿潤からお米を保護できます。
・臭い移り
→臭気が強いものの近くでお米を保存すると、お米に臭いが移ることがあります。
→酸素遮断の袋で保存すれば、臭いが移ることを避けることができます。
■プロの方法
・できるだけ素材に近い状態で保存します。
(「籾」>「玄米」>「精白米」>「除糠精米(無洗米)」の順です。)
・低温(15℃)、理想的には冷蔵(5℃)で、湿度を管理しながら保存します。
■家庭での方法
・量が少ない場合は、冷蔵庫で保存させることができます。
→ただ、乾燥するため長期間は難しいです。
・量が多くなると、特に春~秋は室温と湿度が問題になります。
→そこで、酸素の遮断による方法がベストと考えられます。
■注意点
・酸素の遮断には、酸素を遮断できる袋(入れ物)と、脱酸素剤(エージレスなど)が必要となります。適当な袋では酸素の遮断ができないため注意が必要です。当店の袋「虫キラー」はこの条件を満たしております。
・家庭用の真空パック機や、衣類・布団圧縮袋により真空状態にして保存をすることは、無意味ではないですが、脱酸素剤を用いない限り酸素を取り除くことができないので、完全ではありません。「真空っぽく」見えていますが、お米の隙間に多くの酸素が残っています。
以上